決算サマリー

2023年3月期の経営成績の概況

当連結会計年度におけるわが国経済は、ウィズコロナの新たな段階への移行に向け、各種政策の下で徐々に経済活動の正常化が進みました。そうした中で、水際対策緩和によるインバウンド需要の回復や全国旅行支援策を背景とした個人消費の増加等、非製造業の好調さに支えられ、緩やかな持ち直し基調となりました。一方で、世界的な金融引締めが続く中での海外景気の下振れリスクや、供給制約、中国における感染拡大の影響等、景気の変動要因に注意を要する状況が続きました。

当社グループに関係の深い化学産業を中心とする国内製造業につきましては、資源高や円安を背景とする原材料コストの増加が重石となったほか、期の終盤には輸出需要減少を背景として、持ち直しの動きにも足踏みがみられました。

このような環境のもと、当社グループにおきましては中期経営計画「Go forward STAGE2」の最終年度として、目標とする経営指標の継続的達成を目指すとともに、サステナビリティやガバナンスに関する取り組みの推進等も含め、更なる企業価値の向上に努めてまいりました。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高62,744百万円(前年同期比13.0%増)、営業利益1,741百万円(同39.0%増)、経常利益2,131百万円(同37.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,506百万円(同10.2%増)となりました。

セグメント別の概況は次のとおりであります。また、各セグメントに属する商品群及び、主な構成要素を以下表に記載いたします。

セグメント 商品群等 主な構成要素
化学品事業 ソーダ関連薬品 か性ソーダ、塩酸等のソーダ工業に関する薬品
その他の無機薬品 硫酸、アンモニア等のソーダ関連薬品以外の各種無機薬品
有機薬品 溶剤、界面活性剤等の各種有機薬品
その他 キレート剤、グラウト材料等、上記に属さない化学薬品
機能材事業 包装関連商品 フィルム、容器、包装関連機器等の包装に関連する各種商品
合成樹脂関連商品 樹脂原料、添加剤、成型品等の合成樹脂に関する各種商品
設備・工事・産業材料 汎用機械、生産用機械等の各種設備、付帯工事及びエレクトロニクス、建築向け等の産業材料
その他 雑貨品等、上記に属さない工業用資材等
その他事業 連子会社8社 ソーダニッカビジネスサポート株式会社、曹達日化商貿(上海)有限公司、PT.SODA NIKKA INDONESIA、株式会社日本包装、SODA NIKKA VIETNAM CO.,LTD.、モリス株式会社、株式会社日進、有限会社野津善助商店
賃貸収入 保有動産・不動産等の賃貸による収入

化学品事業

売上高は前年同期に比べ15.8%増の41,796百万円、セグメント利益(営業利益)は前年同期に比べ19.0%増の2,976百万円となりました。セグメント利益への影響を基準とした、商品群別の取引推移等は以下のとおりであります。

ソーダ関連薬品は好調に推移いたしました。主力商品のか性ソーダは、化学業界をはじめとする素材産業を中心に若干の需要の減少傾向がみられましたが、価格改定等により取引増加となりました。塩酸は半導体向け需要の増加や価格改定等により、また重炭酸ソーダは清掃工場や日用品業界における需要増加により取引増加となりました。

その他の無機薬品は好調に推移いたしました。カリウム化合物は原料市況の高騰により各業界向けで取引増加となりました。また鉄化合物は化粧品需要の回復に伴い取引増加となったほか、アルミニウム化合物は自治体向け水質処理剤の新規受注等により取引増加となりました。

有機薬品は好調に推移いたしました。界面活性剤は日用品業界向けの販売シェア拡大により取引増加となりました。またフッ素系溶剤は金属の脱脂洗浄や溶剤用途での販売数量増加により取引増加となりました。

上記以外のその他の商品群は好調に推移いたしました。トイレタリー関連商品は新規商品の受注により取引増加となりました。

機能材事業

売上高は前年同期に比べ7.3%増の13,591百万円、セグメント利益(営業利益)は前年同期に比べ21.5%増の757百万円となりました。セグメント利益への影響を基準とした、商品群別の取引推移等は以下のとおりであります。

包装関連商品は円安効果による輸出商いの増加もあり好調に推移いたしました。複合フィルムは環境配慮型の高付加価値商品の販売推進や各商品の価格改定等により、また包装フィルム・シートはアルミ箔の需給改善や新規・既存取引の受注拡大により取引増加となりました。一方で包装関連機器は前年同期の食品業界向けのスポット取引分が減少となりました。

合成樹脂関連商品は好調に推移いたしました。工業用製品は化学業界や食品業界向けの設備用樹脂部材等の受注により取引増加となりました。物流容器は新規案件の受注により取引増加となりました。またポリエチレン樹脂は食品業界や樹脂加工業界の需要回復及び販売シェア拡大により取引増加となりました。

設備・工事・産業材料はやや低調に推移いたしました。機械器具設置工事は案件増加となりましたが、化学装置関連機器は案件減少となりました。

その他事業

売上高は前年同期に比べ8.9%増の7,356百万円、セグメント利益(営業利益)は前年同期に比べ96.1%増の216百万円となりました。